デトロイト美術館展大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち[モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、マティス、ピカソ]

作品紹介

<第4章>

第4章、“色の魔術師”マティスの傑作《窓》、独特のスタイルで描かれたモディリアーニの男女の肖像画、初期作品アルルカン、キュビズム、古典主義、表現主義ほかさまざまな時代のピカソ作品6点など、20世紀フランス絵画で展覧会を締めくくります。
19世紀後半に「芸術の都」として不動の地位を築いたパリには、世界各地から芸術を志す若者が集まるようになりました。「フランス美術」とは、もはやフランス人による美術ではなく、多国籍の芸術家、画商やコレクターによって形成されるものとなり、多様性とダイナミズムを取り込んで、1930年代、第二次世界大戦前まで大きな輝きを放ちました。

  • パブロ・ピカソ《読書する女性》

    Pablo Picasso日本初上陸

    パブロ・ピカソ《読書する女性》1938年

    油彩、カンヴァス Gift of the Josephine F. Ford Estate © 2016 ‒ Succession Pablo Picasso ‒ SPDA(JAPAN)

    モデルは当時ピカソの恋人だった、写真家、画家のドラ・マール(1907‒1997)。知的で自立し、スペイン語も話せるドラは、ピカソと対等に芸術や社会的なことについて語り合える相手でした。ドラが読む本にはピカソの署名と日付が記され、二人が幸福な時間を共有していることが伝わってきます。

  • アメデオ・モディリアーニ《女の肖像》

    Amedeo Modigliani

    アメデオ・モディリアーニ《女の肖像》 1917-1920年

    油彩、カンヴァス City of Detroit Purchase

    モディリアーニの絵は彫刻的なものから絵画的なものへ変化し、この女性像も独特の引き伸ばされた楕円形の顔と長い首、額に垂れるカールした髪の房、傾いている顔、アーモンド型の目が特徴的です。モデルは判明していませんが、恋人ジャンヌを描いたほかの肖像画と近い雰囲気を感じることができます。

  • アンリ・マティス《窓》

    Henri Matisse

    アンリ・マティス《窓》1916年

    油彩、カンヴァス City of Detroit Purchase

    窓の格子や左奥の壁の垂直線や水平線、透ける白いカーテンと窓から差し込む光の帯が画面を分割し、手前の椅子や窓の前のラジエーターの黒い輪郭が重なり合っています。床の寄木細工と手前の絨毯のジグザグ模様がリズムを添え、さらに花の盛られた籠や丸テーブル、椅子の曲線が加わるなど、すべての形が響き合っています。

  • アンリ・マティス《コーヒータイム》1916年

    Henri Matisse

    アンリ・マティス《コーヒータイム》1916年

    油彩、カンヴァス Bequest of Robert H. Tannahill

    《東洋風の昼食( オリエンタル・ランチ)》 とも呼ばれるこの絵には、マティスのモロッコ滞在の経験がそのまま、衣装や小道具に投影されています。そうした異国情緒の一方で、構図は非常に幾何学的で、きわめてモダンな感覚を与えています。